相続時精算課税を活用!不動産の生前贈与を行ったケース
状況
ご自宅をお孫さんに引継ぎたい、とのご希望をお持ちのAさん(女性・80代)からのご相談です。
Aさんは数年前にご主人を亡くされ、東海市におひとりで暮らしています。ご家族はお子さんが二人(ご長男・ご長女)いらっしゃいます。
将来、ご長女のお孫さんにご自宅を引き継いでもらいたいとの思いから、これまでも遺言を作成されるなどご自身でも動かれていらっしゃいましたが、万全を期すため、その他の方法がないかどうかご相談にお越しになりました。
※コロナ禍でもありましたので、初回のご相談はオンライン(zoom)で行いました。
司法書士のサポート
お話をお聞きすると、すでに自筆証書遺言も作成されており、相続対策として必要な対策はとっておられるようでした。
現在お住いのご自宅については、本来の相続人ではないお孫さんに引継ぐ内容であり、確実にお孫さんに引き継ぐには、民事信託や生前贈与などの選択肢もあることをご説明しました。
ただし、このような生前の財産の移動については、将来のリスク=望まないご家族間のトラブルや、余計な税金の課税などにつながらないよう、慎重に検討する必要があります。
Aさんのケースでは、ご自宅やお持ちの財産の調査を行った結果、いずれにせよ相続税はかからないという結果になりました。
そこで、相続時精算課税を利用して、ご自宅をお孫さんに贈与することをご提案しました。これにより、相続発生時に相続人と万が一のトラブルになることはなく、確実に、Aさんの想いを実現することができます。また、余計な課税等がかかることはなく、お孫さんに大きな税金の負担がいくこともありません。
当事務所では、お孫さんもご同席いただいたうえで、これらの仕組みや、今後必要となるお手続きについてご説明をしました。
そのうえで、不動産の贈与に関する贈与登記および、相続時精算課税の利用に必要な書類の作成サポートを提携の税理士に依頼して進めさせていただきました。
結果
生前贈与や相続時精算課税制度は、使うべき人と、そうでない人がいます。メリットがあまり享受できないケースも多々あります。
相続の法務および税務を踏まえ、デメリットがないかどうか、また本質的に、ご家族やご本人の意向にそぐわない結果にならないかどうか、しっかりと確認をしたうえで進める必要があります。
今回は、Aさん、お孫さん含めたご家族と何度もお打ち合わせをさせていただき、ご家族の想いを実現するお手伝いをさせていただきました。
生前対策は、間違った知識によって進めると、余計なトラブルを呼び込むことにもつながりかねません。もちろん、何もせずにトラブルになってしまうケースも多々あります。
ぜひ、相続・生前対策に精通した専門家に一度、ご相談いただくことをお勧めします。