遺言の書き方
【動画で解説】遺言のメリットや作成時の注意ポイントとは?
実は正しく知られていない遺言のメリットや作成時の注意ポイントについて、動画で解説しています。
(タップ・クリックをすると、このページのまま再生されます。動画の長さは5分程度です。)
(解説:代表 司法書士 鈴木直幸)
遺言書のキホン|書き方を誤ると無効になることも
遺言書は、種類ごとに民法で書き方(方式)が厳格に定められています。せっかく書いた遺言書も、日付の書き方や押印などに不備があると無効になり、相続人同士で遺産分割協議をしなければならなくなります。
一般的に利用される遺言書は「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」の2種類で、自筆証書遺言は法務局で保管してもらう方法も選べます。それぞれの違いを整理すると、次のとおりです。
| 比較項目 | 自筆証書遺言 (自宅で保管) |
自筆証書遺言 (法務局で保管) |
公正証書遺言 |
|---|---|---|---|
| 作成する人 | 遺言者 | 遺言者 | 公証人 |
| 証人 | 不要 | 不要 | 2名以上必要 |
| 保管場所 | 遺言者の自宅など | 法務局(遺言書保管所) | 公証役場 |
| 紛失・改ざんのリスク | あり | なし | なし |
| 方式の確認 | なし | 法務局職員が外形を確認 | 公証人が確認 |
| 公的な費用 | なし | 保管手数料3,900円 | 財産の価額に応じた公証人手数料 |
| 家庭裁判所の検認 | 必要 | 不要 | 不要 |
どの方式が適しているかは、財産の内容やご家族の状況によって変わります。きちんとした遺言書を残したい場合は、作成前に一度、司法書士などの専門家へご相談ください。
自筆証書遺言作成のポイント
自筆証書遺言は、紙とペンと印鑑があれば費用をかけずに作成できます。一方で、民法968条が定める方式を一つでも欠くと無効になるため、次のポイントを必ず守りましょう。
(1) 本文は全文を自筆で書く
遺言の本文は、遺言者本人が手書きする必要があります。パソコンで作成した本文や、録音・動画による遺言は無効です。
(2) 財産目録はパソコン作成・コピー添付も可能
2019年1月13日以降に作成する遺言書では、本文に添付する財産目録に限り、パソコンでの作成や、通帳のコピー・不動産の登記事項証明書の添付が認められています(民法968条2項)。ただし、目録の各ページ(両面に記載があれば両面)に署名・押印が必要です。
(3) 日付・氏名も自筆で書く
日付は「令和8年10月15日」のように特定できる形で書きます。「令和8年10月吉日」のような書き方では日付が特定できず、無効となります。
(4) 押印する
認印でも有効ですが、本人が作成したことを明確にするため、実印での押印をおすすめします。
(5) 訂正は法律のルールに従う
書き間違いを直すときは、変更した場所を示し、変更した旨を付記して署名し、変更の場所に押印する必要があります(民法968条3項)。訂正が多くなる場合は、書き直したほうが安全です。
【注意】自宅で保管した自筆証書遺言は「検認」が必要です
自宅などで保管していた自筆証書遺言は、相続開始後に家庭裁判所で「検認」を受けなければなりません(民法1004条)。検認を受けないまま遺言書を開封すると過料の対象となる場合があり(民法1005条)、相続登記や預貯金の解約にも使えません。東海市にお住まいだった方の場合、検認の申立先は名古屋家庭裁判所半田支部です。
法務局の「自筆証書遺言書保管制度」を利用する方法
2020年7月10日から、自筆証書遺言を法務局(遺言書保管所)で預かってもらえる「自筆証書遺言書保管制度」が始まっています。この制度を利用すると、次のようなメリットがあります。
自筆証書遺言書保管制度のポイント
- 法務局職員が、日付・氏名の自書や押印の有無など、方式を外形的に確認してくれる
- 原本は遺言者の死亡後50年間、画像データは150年間保管され、紛失・改ざんのおそれがない
- 家庭裁判所の検認が不要になる
- 保管申請の手数料は3,900円
- 遺言者が亡くなった後、指定した方へ遺言書が保管されていることを通知してもらえる
保管の申請は、遺言者本人が法務局へ出向いて行う必要があり、事前予約制です。名古屋法務局によると、愛知県内の遺言書保管所(名古屋法務局本局の供託課、半田支局など)は、いずれも愛知県全域の方の申請を受け付けています。東海市にお住まいの方は、自宅からの距離などを踏まえて保管所を選べます。
なお、法務局が確認するのはあくまで形式面であり、遺言の内容が相続人間のトラブル防止や相続税対策として適切かどうかまでは確認されません。内容面のチェックは専門家にご相談ください。
出典:
法務省「自筆証書遺言に関するルールが変わります。」
法務省「遺言書の様式等についての注意事項」
法務省民事局「自筆証書遺言書保管制度のご案内」
名古屋法務局「愛知県内の遺言書保管所について」
e-Gov法令検索「民法」
公正証書遺言の作成方法
公正証書遺言は、公証人が遺言者から内容を聞き取って作成する遺言書です(民法969条)。原本が公証役場に保管されるため紛失・改ざんのおそれがなく、家庭裁判所の検認も不要で、相続開始後すぐに相続登記や預貯金の解約手続きに使えます。実際の作成は、次のような流れで進みます。
STEP1 遺言内容の検討・ご相談
誰にどの財産を残したいか、ご家族の状況や遺留分への配慮などを整理します。
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STEP2 必要書類の収集
遺言者の印鑑登録証明書、相続人との関係がわかる戸籍謄本、不動産の登記事項証明書・固定資産評価証明書、預貯金の資料などをそろえます。
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STEP3 公証人との事前打ち合わせ
遺言の文案と資料を公証役場に提出し、公証人と内容を調整します。公証人手数料の見積もりもこの段階で確定します。
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STEP4 作成当日(証人2名の立会い)
遺言者が公証人に遺言の内容を伝え、公証人が作成した遺言書の内容を読み聞かせ(または閲覧)により確認します。遺言者・証人が内容の正確さを承認したうえで署名し、公証人が法律の方式に従って作成した旨を付記して完成します。
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STEP5 原本は公証役場で保管
遺言者には正本・謄本が交付されます。
2025年10月から公正証書の作成手続きがデジタル化されました
2025年10月1日から、公正証書の作成手続きがデジタル化されています。日本公証人連合会の案内によると、主な変更点は次のとおりです。
- 公正証書は原則として電子データで作成・保存され、嘱託人の署名は電子サイン(押印不要)となる
- 嘱託人が希望し、公証人が相当と認める場合には、ウェブ会議(リモート方式)で作成できる
- 正本・謄本は、紙の書面でも電子データでも受け取れる
- リモート方式などは、順次指定される「指定公証人」の役場でのみ利用できる
また、デジタル化にあわせて公証人手数料も一部改定されています。遺言公正証書の手数料は、相続人・受遺者ごとに受け取る財産の価額をもとに算出し、合算する仕組みです(公証人手数料令)。具体的な金額は、事前打ち合わせの段階で公証役場から示されます。
証人になれない人(証人の欠格者)
次の人は、公正証書遺言の証人になれません(民法974条)
- 未成年者
- 推定相続人、受遺者、およびこれらの配偶者・直系血族
- 公証人の配偶者、四親等内の親族、書記および使用人
ご家族は証人になれないことが多いため、証人を誰に頼むかで悩まれる方が少なくありません。当事務所では証人の手配・立会いにも対応しています。なお、遺言執行者は証人になることができます。
東海市で遺言書を作成・保管するときの窓口
東海市にお住まいの方が遺言書の作成・保管・検認で利用する主な公的機関は、次のとおりです。公正証書遺言は全国どこの公証役場でも作成できますが、東海市からは半田公証役場または名古屋市熱田区の熱田公証役場が比較的近くにあります。
| 名称(主な手続き) | 住所 | 電話番号 | 受付時間 |
|---|---|---|---|
| 名古屋法務局 半田支局 (遺言書保管所・東海市の不動産登記) |
〒475-0817 愛知県半田市東洋町1-12 |
0569-21-1095 | 平日 9時~17時 ※遺言書の保管申請は予約制 |
| 半田公証役場 (公正証書遺言の作成) |
〒475-0902 愛知県半田市宮路町273 柊ビル2階 |
0569-22-1551 | 平日 ※事前に電話でご予約ください |
| 熱田公証役場 (公正証書遺言の作成) |
〒456-0031 愛知県名古屋市熱田区神宮4-7-27 宝ビル18号館2階 |
052-682-5973 | 平日 ※事前に電話でご予約ください |
| 名古屋家庭裁判所 半田支部 (遺言書の検認) |
〒475-0902 愛知県半田市宮路町200-2 |
0569-21-1610(庶務課) | 平日 ※窓口の受付時間は裁判所ウェブサイトでご確認ください |
当事務所の遺言作成サポートと料金
当事務所では、遺言書の文案作成だけでなく、財産調査や生前対策の検討から公証役場とのやり取り、証人の手配まで、遺言作成に必要な手続きをまとめてサポートしています。
遺言作成サポート(遺言コンサルティング)の料金
| 相続財産の価額 | 報酬額(税込) |
|---|---|
| 4,000万円未満 | 220,000円 |
| 4,000万円~6,000万円未満 | 275,000円 |
| 6,000万円~8,000万円未満 | 330,000円 |
| 8,000万円~1億円未満 | 385,000円 |
| 1億円~1億5,000万円未満 | 440,000円 |
| 1億5,000万円~2億円未満 | 495,000円 |
| 2億円~2億5,000万円未満 | 550,000円 |
| 2億5,000万円~3億円未満 | 605,000円 |
| 3億円~ | 要見積もり |
遺言に関するその他のサポート料金
| サポート | サポート料金(税抜) |
|---|---|
| 証人立会い | 10,000円/名 |
| 遺言の保管(年1回の安否確認含む) | 10,000円/年 |
| 遺言執行 | 遺産総額の1% (最低30万円~) |
| 遺言書の検認申し立て (裁判所に提出する書類の作成サポート) |
50,000円~ |
※公証人手数料、法務局の保管手数料、戸籍謄本・登記事項証明書等の取得費用、通信費、交通費などの実費は別途ご負担いただきます。
※推定相続人の調査については、別途費用がかかります。
まとめ|東海市で遺言書の作成をお考えの方へ
- 遺言書は民法で方式が厳格に定められており、不備があると無効になる
- 自筆証書遺言は、2019年から財産目録のパソコン作成が可能。各ページへの署名・押印は必要
- 自筆証書遺言を法務局(東海市からは半田支局など)で保管すれば、検認が不要になる
- 公正証書遺言は検認不要で確実性が高く、2025年10月からデジタル化も始まっている
- 推定相続人やその配偶者などは証人になれないため、証人の手配も早めに検討する
どの方式が合っているか、どのような内容にすれば相続人の負担を減らせるかは、財産やご家族の状況によって異なります。東海市で遺言書の作成をお考えの方は、お気軽に当事務所へご相談ください。


















































