相続人が海外に在住。自宅を売却後、3000万円控除の特例を受けられた事例
お客様のご状況
お父様が亡くなり相続が発生したTさん一家の案件です。
亡くなったT様(被相続人)は知多市在住であり、相続人として子ども2名(長男・長女)がいらっしゃいました。
ご長男が中国に、ご長女が千葉に在住しています。
相続人が遠方(海外含む)に分散して居住しているケースでは、なかなか相続手続きが進まないということがよく起こります。相続手続きを放置すると、相続登記義務化による罰則を受けることになったり、二次相続が発生し、さらに手続きが複雑化したり、様々なリスクがあります。
遺産相続の対象財産については、以下の通りです。
・自宅の土地建物(評価額2,000万円・知多市)
・預貯金(約1000万円)
司法書士によるサポート
今回の相続手続きでは、遠方にお住まいのご長男、ご長女様とメールやLINEを通じてやり取りをしながら、必要な手続きを司法書士が代行して進めました。
まず相続の方針については、知多市のご自宅を売却(換価分割)し、預貯金と合わせた遺産を法定相続分の1/2ずつで分けることで、遺産分割協議がまとまりました。
ここまではスムーズに決めることができましたが、ご自宅の取り壊し、土地の売却、その後の譲渡所得税の取扱いなど、換価分割に関連して気を付けなければならないことがありました。
今回、被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例を利用し、土地の売却後の譲渡所得税を減らすことができることが分かりました。
この特例は、「相続または遺贈により取得した被相続人居住用家屋または被相続人居住用家屋の敷地等を、平成28年4月1日から令和9年12月31日までの間に売って、一定の要件に当てはまるときは、譲渡所得の金額から最高3,000万円まで控除することができる」という制度です。
※参照:国税庁HP
ただし、この特例を受けるために、「被相続人居住用家屋等確認書」という市町村が発行する証明書を取得する必要がありました。この証明書の取得は意外と手間がかかります。
また、譲渡所得税の申告を行った税理士との連携など、様々な調整が必要になりました。
結果
特例を受けることもでき、また、相続人のお二人が円満に相続を終えることができ、専門家としても安心することができました。
離れてお住まいの相続人がいるケースや、相続した不動産を売却する場合には、スムーズに手続きを進めることの難しさや、税金の負担を減らす特例の活用など、色々と検討すべきことが出てきます。
ぜひ、こういった相続手続きが必要な方は、ご自身やご家族だけで悩まずに、一度、無料相談にお越しください。