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28年前に亡くなった父の相続登記を義務化を機に完了|相続人全員が高齢・1名は東北地方在住の事例

1. お客様のご状況

平成10年にお父様が亡くなられたDさん(80歳)からのご相談です。

お父様名義の不動産は、相続から約28年間、名義変更(相続登記)をしないままになっていました。令和6年4月から相続登記が義務化されたことを知り、「自分たちの代できちんと整理しておきたい」とご相談にいらっしゃいました。

相続人は4名で、全員がご高齢です。お姉様は東北地方にお住まいのため、相続人全員で集まって話し合い、書類に押印することが難しい状況でした。

被相続人(亡くなった方)

Dさんのお父様(平成10年に死亡)

相続人の関係

続柄 年齢 お住まい
お母様(配偶者) 100歳 Dさんの近隣
お姉様(長女) 83歳 東北地方(遠方)
Dさん(ご依頼者) 80歳 ―
弟様 78歳 Dさんの近隣

財産状況

お父様名義のままになっていた不動産(土地・建物)

2. 当事務所からの提案&お手伝い

お父様は遺言書を遺していなかったため、相続人4名全員で遺産分割協議を行い、不動産を誰が相続するかを決める必要がありました。

相続から長い年月が経っている場合、お父様の出生から死亡までの戸籍(除籍謄本・改製原戸籍を含む)が古い様式で読み取りにくく、本籍地の移動によって複数の役所へ請求が必要になることも少なくありません。そこで、戸籍の収集から登記申請まで当事務所でまとめてお引き受けしました。

具体的なサポートの流れ

STEP 1 相続関係の戸籍の収集
お父様の出生から死亡までの戸籍、相続人全員の現在の戸籍などを当事務所で収集し、相続人が4名であることを確定しました。
▼
STEP 2 遺産分割協議書の作成
相続人の皆様のご意向を確認し、不動産を取得する相続人を定めた遺産分割協議書を作成しました。
▼
STEP 3 近隣にお住まいの相続人の押印
お母様・Dさん・弟様の3名分は、近くにお住まいのDさんが取りまとめて押印を揃えました。
▼
STEP 4 遠方(東北地方)のお姉様へ郵送
3名の押印が済んだ協議書をお姉様へ郵送し、押印と印鑑証明書をご返送いただきました。お姉様に愛知県までお越しいただく必要はありませんでした。
▼
STEP 5 相続登記の申請・完了
書類が揃ったところで、不動産を管轄する法務局へ相続登記を申請し、名義変更が完了しました。

3. 結果

平成10年から約28年間お父様名義のままだった不動産について、無事に相続登記を完了することができました。

今回は、相続人全員がご高齢で、お一人は東北地方にお住まいという事案でした。押印を「近くの方を先にまとめてから、遠方の方へ1回で郵送する」順番にしたことで、書類の往復を最小限に抑え、ご高齢のお姉様のご負担も軽くすることができました。

Dさんからは「義務化と聞いて気になっていたが、自分たちの代で片付けられて安心した」とのお言葉をいただきました。

司法書士からのワンポイント解説

昔の相続も相続登記の義務化の対象です

令和6年4月1日から、相続によって不動産を取得した相続人は、その取得を知った日から3年以内に相続登記を申請しなければならないこととされました(不動産登記法第76条の2)。正当な理由なくこの義務に違反した場合、10万円以下の過料が科されることがあります(同法第164条第1項)。

注意:令和6年4月1日より前の相続も対象です

今回のように何十年も前に発生した相続でも、相続登記がされていない不動産は義務化の対象になります。この場合は3年間の猶予期間があり、令和9年3月31日までに相続登記をする必要があります。

また、法務省では一定の要件を満たす土地(不動産の価額が100万円以下の土地など)について、相続登記の登録免許税の免税措置を案内しています。期限は令和9年3月31日までとされていますので、対象になるかどうかもあわせて確認しておくと安心です。

放置するほど手続きが難しくなる理由

今回は、お父様の相続人4名がご存命のうちに手続きができました。しかし、相続登記をしないまま相続人のどなたかが亡くなると、その方の相続人(配偶者やお子様など)も遺産分割協議に加わる必要が生じます(いわゆる「数次相続」)。関係者が増えるほど、話し合いや押印をまとめる負担は大きくなります。

また、遺産分割協議には相続人全員の判断能力が必要です。相続人の中に認知症などで判断能力が低下した方がいる場合、成年後見人の選任が必要になることがあります。ご家族がお元気なうちに手続きを済ませておくことが、何よりの備えになります。

遠方に相続人がいても、郵送でのやり取りで進められます

遺産分割協議は、必ずしも相続人全員が一堂に会して行う必要はありません。今回のように協議書を順番に回して押印いただく方法(持ち回り)であれば、遠方にお住まいの方がいても手続きを進めることができます。どの順番で回すと効率がよいかも含めてご提案いたします。

東海市・知多市の不動産を管轄する法務局

相続登記は、不動産の所在地を管轄する法務局へ申請します。東海市・知多市にある不動産の不動産登記は、名古屋法務局半田支局の管轄です。

名称 名古屋法務局 半田支局
住所 〒475-0817 愛知県半田市東洋町1-12
電話番号 0569-21-1095
窓口対応時間 午前9時〜午後5時(土日祝日・年末年始を除く)
不動産登記の管轄区域 半田市、常滑市、大府市、東海市、知多市、知多郡(阿久比町・武豊町・南知多町・美浜町・東浦町)

※不動産が他の地域にある場合は、その所在地を管轄する法務局へ申請します。当事務所では、愛知県外の不動産の相続登記にも対応しております。

この事例のまとめ

  • 平成10年の相続でも、相続登記がされていなければ義務化の対象(期限は令和9年3月31日)
  • 古い戸籍の収集は、本籍地の移動などで手間がかかるため専門家に任せると確実
  • 遠方の相続人がいても、押印の順番を工夫すれば郵送で効率よく手続きできる
  • 相続人がご高齢の場合は、数次相続や判断能力の問題が生じる前の早めの手続きが大切

参考:行政機関の情報

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